「イッセー尾形のとまらない生活スペシャル」 @神奈川県立青少年センター(桜木町)

イッセー尾形さんのひとり芝居、初めて生で観てきました。いや、素晴らしい舞台でした!
以下、感想など。長いので畳んでおきます。
イッセーさんを初めて観たのはいつだろう?よく思い出せないんですが、ず〜っと凄い人だなぁと思っていました。生の舞台をいつか観てみたいと思いつつ、ビデオは何本か見ていたんですが、生で観る機会を逃していて、今日、やっと観る事ができました。やっぱり生で観るのは臨場感があっていいですね。イッセーさんのお芝居もそうなんですが、会場全体の雰囲気を体感できるのはいいですね。今日、観にきていた方々は常連さんが多いのか、私はよく分からなかったんですが、イッセーさんと観客の呼吸がピッタリとあっているように感じました。具体的には上手く説明できないんですが。
でも、本当に観にいらしてる方みなさん、イッセーさんの舞台を楽しみにされてたんだな、そして、心から楽しんでいるのが感じ取れました。会場全体が程よい緊張感がありつつ、沸き立っている感じ。良い舞台でした、ほんとに。
今回の舞台は、イッセーさんの舞台の演出を努めていらっしゃる森田さんのワークショップ「イッセー尾形のつくりかた」という一般の方が誰でも参加できるものが各地で開催されてたようで、その締めくくりで、イッセーさん演じる模範解答として今回のひとり芝居の公演をされたようです。
ですので、舞台の上手下手の両方には約20名のワークショップに参加された方々が、ずっと舞台上に座って、イッセーさんの演技を見ている形になっていました。とても不思議な感じでした。で、私は生で観るのが初めてな上に予備知識も全くなかったので知らなかったんですが、イッセーさんは衣装の着替えやメイクもずっと舞台上で行っていて、これにはビックリしました。1つの話が終わると舞台端で服を脱ぎだし、パンツ一丁になって次の衣装に着替える。そして、鏡を見ながら化粧も施し、ミネラルウォーターで喉を潤し、再び舞台中央へ。そして、次の話が始まるといった感じで進んでいきました。
何が一番驚いたかって、イッセーさんの表情。演じる「人」によって、本当に全く別人のような表情をするのはもちろんなんですが、衣装変えの最中の顔は素に戻っているようでした。いや、当たり前なんでしょうけど。あの表情の変わる様子をずっと見ることができるっていうことにビックリしました。なんか、そういうところって普通は観客には見せないじゃないですか。だから見てはいけないものを覗き見しているような気分でした。そういう意味でも、潔いというか、凄い人だなぁと思いました。

そして、本日の演目は以下のとおりです。


1.仲の悪い上司と一緒に出張に同行するコート姿のサラリーマン。

2.金髪のいまどきの若者風のピザ屋のお兄ちゃん。

3.5人の子供達とおじいちゃんを連れて海に遊びにきたお父ちゃん。

4.50歳の花嫁の控え室での会話。

5.寂れた町のしがない仕立て屋の主人。

6.キャバレーに営業にきている売れない歌手。

どのお話も主人公をイッセーさんが演じてるわけですが、一人芝居といっても、芝居の中の登場人物は一人ではなく、会話の中で何人もの人が登場するんですが、そのやり取りの中で、周りにいる人達の人となりも分かってしまうっていうのが、凄いなぁと思いました。主人公と何気ない会話を交わしてるかのようなんですが、どの言葉もその人となりを表してるんだなって改めて気づかされた気がしました。

そして、終演後、ロビーに出るとなんだか人が並び出していて、何かと思ったらイッセーさんのサイン待ちとの事。私はサインはいいかな、と思ったんですが、物販でポストカード買ったら、どうぞサイン貰って行ってください、と言われたので、凄い行列だったんですが、こういう機会もあんまりなさそうなので、サインをしてもらってきました。その時のイッセーさんは、青のギンガムチェックのシャツに濃いめのブルージーンズ姿で、坊ちゃん刈りのようなヘアスタイルでなんだか若々しい感じでした。でも、お顔の表情はややお疲れ気味でした。だって、演じきった後ですもんね。それにしても本当に長い列で、100人以上はいたんじゃないかと思います。その一人一人にサインをし、(しかも一人で2、3個のものにサインをお願いする人もいました。)握手をしておられました。お疲れ様です、ホントに。
私も購入したポストカードにサインをしてもらい、その後、ぎゅっと握手もしてもらって、最初はサインいいや、とか言いながら、ホクホクで帰ってきたのでした。(笑)

ぜひ、また公演を観に行きたいです。